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プレスリリース

KMX Technologiesとの水処理事業 共同技術開発開始について

製品・技術情報

2021年7月13日
住友電気工業株式会社

住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治、以下 当社)は、KMX Technologies(本社:米国テキサス州、以下 KMXテクノロジー)と、水処理の膜蒸留開発に関する基本合意書(MOU:Memorandum Of Understanding)を締結いたしました。今後両社は共同で技術開発を進めます。

KMXテクノロジーは、膜蒸留、水処理、及び有価鉱物回収のリーディングカンパニーです。今回、基本合意書の締結により両社のパートナーシップを強化し、KMXテクノロジーにおいて当社のPTFEポアフロン®中空糸膜(以下、PTFE膜)*1を用いた新たな膜蒸留技術の開発及び製品化プロジェクトを始動させます。

今回開発を進める膜蒸留とは、原水に溶けている除去対象物と水との沸点の差を利用し、疎水性多孔質膜に蒸気を透過させる技術です。特性上、使用する膜は水との親和性が小さいことや、高温への耐性が求められます。そのため、当社が開発した、他社と比較して高い疎水性、耐熱性を有する「高耐水性PTFE中空糸膜」を膜蒸留システムに適用することで、これらの特性が大いに発揮されます*2

今回の共同技術開発では、高強度、耐熱性、耐油性、耐薬品性(幅広いpH領域に対応可能)など様々な強みを有する当社PTFE膜と、KMXテクノロジーが誇る膜蒸留システムとを組み合わせ、市場をリードする高度な膜蒸留処理の実現を目指します。本協業を通じて、米国市場における当社の更なるプレゼンス向上を図ります。

住友電工水処理事業開発部長の森田徹は以下のように述べています。
「膜蒸留技術は、他の水処理技術では対処できない課題の解決が可能です。KMXテクノロジーと協業を開始し、両社の技術や知見を融合させることにより、新分野での市場開拓に期待しています。」

KMXテクノロジーの技術部門を統括するSean Ghayeni氏は以下のように述べています。
「PTFE膜は様々な強みを有しており、我々は住友電工とのパートナーシップに期待しています。鉱山排水からのレアアース回収や、リチウム・金・銀・ニッケルなど有価物の回収等において、今後PTFE膜を幅広い用途に使用していきます。」

当社はこれからも高品質な製品供給に努め、世界各国の水処理問題の解決、"水の惑星"地球の環境保全に貢献してまいります。

PTFEポアフロン®中空糸膜(左)とその断面の拡大写真(右)
PTFEポアフロン®中空糸膜(左)と膜表面の拡大写真(右)

*1 PTFEポアフロン®中空糸膜
PTFE(四フッ化エチレン樹脂)製水処理膜。PTFEは化学工業や半導体工業などで大量に使用される汎用的なプラスチック素材だが、当社はこれを水処理ろ過膜として開発した。単一素材でできた中空糸膜としては、他素材膜対比8~10倍の強度がある。

*2 PTFEは本来疎水性が強く、膜蒸留用途ではこの性質を活用しているが、当社はPTFEに独自の親水化処理を施すことによって、PTFEポアフロン®膜の水処理用途での使用を可能としている。

ご参考

  • 当社PTFEポアフロン®水処理膜ホームページ
    https://sei.co.jp/products/poreflon/
  • KMX Technologies
    https://www.kmxtechnologies.com/
    産業分野における難易度の高い水処理や、鉱山等における有価鉱物回収の特許技術を有しており、2018年にBest Wastewater Membrane Technology Providerとして表彰されている。

以上

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