MPO光コネクタって何?
光コネクタとは、光ファイバケーブルや光送受信機器などを接続する上で必要不可欠な部品です。その中で、MPO(※1)光コネクタは、12本や24本などの複数の光ファイバを一括して接続することができ、光ファイバの高密度配線が容易におこなえることから、データセンター内での需要拡大が続いています。一方で、小型化によるスペース効率の向上、ラック内での取り回しのしやすさ、挿抜時の作業性の改善などが求められていました。また、MPO光コネクタは固有の接続構造(※2)を有していることから、配線設計が複雑になるという課題もありました。
当社グループはこれらの課題を解決し、使いやすさを大幅に向上させた新型のMPO光コネクタ「SumiMPO™」を開発し、販売を開始しました。
新型MPO光コネクタ「SumiMPO™」の特長は?
「小型化と信頼性の向上」
●全長約38mmという世界トップクラスの小型化を実現しました。これによりラック内の装置やパッチパネルの配置の自由度が高まり、スペースを有効に使うことができます。
●世界トップクラスの機械強度を有していることから、コネクタの取り回しや配線作業を安心しておこなうことができます。
「使い勝手の向上」
●プラスチック製の簡易な治具を用いて、ユーザ側で容易にガイドピンのあり/なしの切替ができます。また、ユーザ側でキーの方向を変えて極性を変更できることから、トラブルフリーでMPO光コネクタの接続が可能となりました。
●独自のプッシュプルアウターハウジング(※3)を採用しています。これまでにない直感的な操作でコネクタの挿抜が可能となり、接続作業ミスを防止します。
●プッシュプルアウターハウジングへの取り付け・取り外しが容易な独自のタブ(※4)を使うことで、実装密度が高く手の入りにくい場所でも作業が容易におこなえます。
コネクタ製品部
新型MPO光コネクタを開発する上で難しかったことはなんですか?
MPO光コネクタは、IEC(国際電気標準会議)などでコネクタ接続部の寸法や構造が既に規格化された標準の光コネクタです。この規格を満たした上でトップクラスの小型化とプッシュプルアウターハウジングなどの使い勝手の向上を両立することは、不可能なように思われました。
今回私は、規格化された構造からイメージされる先入観を取り払い、従来一体だった部品を分割するまったく新しい構造を考案しました。開発当初は強度の確保に苦労しましたが、構造などを工夫することで従来よりも高い強度を得ることができ、規格にも合致した新型のMPO光コネクタの開発に成功しました。
「SumiMPO™」についてお客さまからはどのような評価をいただいておりますか?
おかげさまで一様に高い評価をいただいています。「ガイドピンのあり/なし変換ができていれば、フィールドでの接続トラブル発生を防げた」、「これまでのMPO光コネクタの課題が解決されており大変すばらしい」「顧客への提案書に盛り込みたい」と言ったような声をいただいています。海外のお客さまからも強い関心をいただいており、採用に向けてサンプル提供などを開始しています。