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特集 2016年04月号(Vol.463)

POREFLON™Module ポアフロン®モジュール

PTFE製水処理用膜モジュール

水は、私たちの生活になくてはならない大切な資源です。一方、生活排水や産業排水などにより引き起こされる水質汚染は、世界中の人々の生活や、環境、その他あらゆる側面から、人類にとって最も大きな問題の一つとなっています。当社は、独自の素材を用いた水処理技術で世界の水環境・エネルギー問題を解決する製品を提供し、社会に貢献しています。今回は、当社の水処理用製品「ポアフロン®モジュール」を紹介します。

ポアフロン®モジュールとは?

ポアフロン®モジュールは、当社が2003年に発売を開始した精密ろ過用の水処理膜製品です。

当社が製造するフッ素樹脂の一種で高い耐薬品性、耐熱性を有する100%PTFE(※1)を使用した多孔質材料ポアフロン®でできています。

ポアフロン®モジュールは、そのポアフロン®の中空糸膜を数百本配列した装置です。

ポアフロン®の拡大図
ポアフロン®の拡大図
※1
PTFE:PolyTetraFluoroEthylene(ポリテトラフルオロエチレン)、日本語では四弗化エチレン樹脂と呼ばれる。

ポアフロン®の4つの特長

1.耐薬品性

強アルカリなど、さまざまな薬品に対して安定している。

2.高強度

切れにくく、長期間の使用が可能である。

3.高透水性

気孔率が高いため、汎用プラスチックとしては最高クラスの透水性がある。

4.耐熱性

膜ろ過として、200℃までの温度の液体に使用できる。

ポアフロン®モジュールの開発が始まった1999年当時、ポリエチレンが水処理膜の中心的な材料でしたが、強度や耐薬品性が不足していました。PTFEの高強度、高耐薬品性の特性が、こうした問題を解消できるのでは、と着目し、研究を重ねポアフロン®モジュールが誕生しました。ポアフロン®の4つの特長を活かした本製品は、都市下水、有機系産業用排水、高濃度非水溶性含油排水、高濁度排水など、さまざまな水処理に適用できます。特に、食品、染色、石油精製などの分野で採用され、国内のみならず、世界240カ所以上で活躍しています。

■世界240カ所以上で稼働中

稼働分野
・食品 ・染色 ・製薬 ・ゴム加工 ・化学 ・鉄鋼 ・石油精製 ・半導体
・ゴミ浸出水 ・下水 など

ポアフロン®モジュール活用製品

ポアフロン®膜分離排水処理装置

ポアフロン®モジュールに、膜浸漬槽、ポンプ、散気ブロア、制御盤をパッケージ化しました。お客さまにて使用中の曝気槽(ばっきそう)(※2)に接続することで、再利用可能な処理水が得られる排水処理設備が、短期間に低コストで実現できます。24時間遠隔監視、定期点検、膜の洗浄・交換などのアフターサービスも提供しています。

※2
曝気槽:下水処理の浄水処理工程をおこなう設備の一種。

ポアフロン®モジュールの活用事例

石油精製工場の排水処理(台湾、米国など)

ポアフロン®は、油分や有機物の汚物を含んでいても目詰まりしにくく、汚れても、強い酸やアルカリなどの薬品で洗浄可能です。この長期にわたる使用耐久性・性能安定性が評価され、石油精製工場の排水処理に導入されています。既に台湾で稼働しており、2017年には米国でも稼働予定です。

台湾大手石油精製会社の排水処理のようす
台湾大手石油精製会社の排水処理のようす

油田随伴水処理システム

原油採掘に伴って出てくる地層水(随伴水)には、油や濁質が含まれており、放流および地下への再注入、再利用のため浄化が求められます。この油田随伴水処理も、当社のポアフロン®モジュールの優位性が発揮できる分野です。実用化に向けて、さまざまなテストをおこなっています。


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