プレスリリース
エネルギーマネジメントシステム(sEMSA)を用いてネガワット取引のためのデマンドレスポンス実証に成功
2015年3月24日
住友電気工業株式会社
当社は経済産業省が支援するネガワット取引(*1)のための実証事業「次世代エネルギー・社会システム実証事業」において、当社開発のエネルギーマネジメントシステム(sEMSA)を用いてデマンドレスポンス(DR)発令から15分以内に、約束したネガワット電力を送出することに成功しました。
実証は当社横浜製作所(所在地:横浜市栄区)設置の国内最大級のレドックスフロー(RF)電池3台(計5MWh)、ガス発電機(CGS)6台(計4MW)、集光型太陽電池(CPV)15台(計100kW)および、これらの発電機群を管理する当社開発のエネルギーマネジメントシステム(sEMSA)を用いて実施されました(図1)。
sEMSAは電力需給調整会社(アグリゲータ)であるエナノックより発令されたDR信号に10秒以内に応答し、15分以内に約束した電力量(640kW x 1時間)を全自動にて送出する事で、DR時間帯は系統からの受電を削減しました(図2)。
DR発令には、世界標準規格であるOpenADR2.0(*2)プロトコルを利用しています。
この実証プログラムは、電力会社とコンソーシアムを組むアグリゲータの一社であるエナノック・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、社長:David Brewster、以下「エナノック」)と共同で実施しました。エナノックは経済産業省が支援するピーク時供給や運転予備力(*3)のためのDR実証プログラムに取り組んでおり、当社はエナノックのカスタマーとして今回の実証に参加しました。
sEMSAは、当社が開発したエネルギーマネジメントシステムで、下記の特長を有します。
- 幅広い顧客ニーズと多様な電力設備に対応可能な柔軟性・拡張性に富んだアーキテクチャに準拠
- DRにも瞬時に対応
- 再生可能エネルギーを含む発電機群をエネルギーコスト最小他、総合的に最適運用
- 契約電力等の各種シミュレーション機能
sEMSAについては当社プレスリリースにも概要紹介があります。
当社は、今回、国際標準規格であるOpenADRを使ってエナノックと相互接続出来た成果をベースに、sEMSAを国内ネガワット取引の標準ツールとして広くお客様に展開して行きます。
【エナノック・ジャパン株式会社】
米国EnerNOC,Inc.と丸紅株式会社が2013年に設立した合弁会社です。日本におけるDR事業を展開し、2013年度より経済産業省のDR実証に採択され、丸紅株式会社、東京電力株式会社と共同で取り組み中です。
- sEMSAは住友電気工業株式会社の登録商標です。
以上