プレスリリース
アジア地域において低損失大容量電線を大量受注
~バングラデシュ、スリランカ、パプアニューギニア、インドでの円借款事業~
2019年12月16日
住友電気工業株式会社
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治 以下、当社)は、バングラデシュで実施されているダッカ-チッタゴン基幹送電線強化事業向けの低損失大容量電線の出荷を2019年12月13日より開始しました。
当社は、バングラデシュのみならず、インド(2019年10月)、スリランカ(2019年9月)、パプアニューギニア(2019年4月)、などの円借款事業において、計約9,300km分の低損失大容量電線を受注しており、アジア地域での架空送電線事業を加速しています。
経済発展に伴うエネルギー消費量の拡大が進む中、送電分野においては、効率的なエネルギー供給を実現する製品へのニーズが高まっています。特に、架空送電線のような長距離送電では、送電損失が大きくなる傾向にありますが、当社はそのニーズに応える低損失大容量電線を開発・発売しています。
当社が開発した低損失大容量電線は、鋼心部分に従来の1.3倍の強度を持つ材料を採用することで鋼心を小径化し、その外側に台形状のアルミ線を隙間なく配置し、アルミ占積率を高めています。
その結果、電線の外径・引張強さを従来電線と同等に維持しつつ電気抵抗を下げることができ、従来型電線と比較し送電損失を20~25%低減することが可能となります。
この低損失大容量電線の特長が認められ、特に急激なエネルギー需要増加が進む、バングラデシュやスリランカをはじめとした、アジア諸国において採用が進んでいます。
バングラデシュ
当社は、三菱商事株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長:垣内 威彦)を通じてインドのKEC International Ltd.から、2019年3月に、バングラデシュ送電公社(Power Grid Company of Bangladesh Ltd.)の架空送電線路新設工事であるダッカ―チッタゴン基幹送電線強化事業及びマタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業向け低損失大容量送電線を受注し、このたび2019年12月に出荷を開始いたしました。
バングラデシュでは、設計上で想定される風速が他地域より高いため、鉄塔の必要強度が高く求められていました。しかし、当社の低損失大容量電線の採用により、送電損失を従来電線と同等に維持しながら電線を細くすることで風圧を低減し、鉄塔への負担を軽減させました。このため、鉄塔の必要強度を下げることが可能となり、建設コストを抑えることに貢献いたしました。
当社は今後も国内外で培った送電線事業での経験を活かし、高品質な製品供給につとめ、アジア諸国をはじめとする各国への電力の安定供給に寄与し、さらなる経済発展に貢献していきます。
受注時期 | 2019年3月 |
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区間 | TL-1)400kV ダッカ-チッタゴン間 |
TL-2)400kV チッタゴン-マタバリ間 | |
受注製品 | 低損失大容量電線 電線長8,100km |
契約工期 | 2022年1月(予定) |
参考情報
- 2019年11月11日 プレスリリース:
スリランカ(全国送配電網整備・効率化事業)向けの架空送電線を受注
https://sei.co.jp/company/press/2019/11/prs087.html
以上