プレスリリース
世界初 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルによる525kV直流送電システムと直流ガス絶縁開閉装置を接続した型式試験に合格
2020年8月 6日
住友電気工業株式会社
住友電気工業株式会社(本社:大阪市中央区、社長:井上 治 以下、当社)は、ドイツ・Siemens(シーメンス)社およびケーブルメーカーSüdkabel(スドカーベル)社と3社共同で、高圧直流送電システムと直流ガス絶縁開閉装置(以下、DC GIS*1)を接続して行う世界初の型式試験に合格しました。
当社は、2019年に英国―ベルギー間を結ぶ400kV直流XLPE(架橋ポリエチレン)ケーブルシステム(固体絶縁としては当時世界最高電圧の直流連系線)を竣工しました。その後、業界最高クラスの電圧±525kV直流XLPE絶縁ケーブルを開発し、2020年にドイツ国内の南北を結ぶ主要連系線向けに受注、今後プロジェクトを進めていきます。

シーメンス社では、高圧直流送電システムに必要なガス絶縁開閉装置(DC GIS)を製造しており、高圧直流送電システム設置において課題となっている開閉所のスペース要件を大幅に削減したコンパクトで優れた気候耐性を有する装置を保有しています。
今回、当社およびSüdkabel社が製造する±525kV直流XLPE 絶縁ケーブルと、シーメンス社のDC GISを組合せ、ドイツ・マンハイムの第三者試験機関(CESI 傘下のKEMA Lab)にて試験を行い、CIGRE*2推奨案に基づいた型式試験に合格いたしました。
また、ケーブルの残存試験において640kVクラスの性能裕度があることを極性反転試験*3で確認しました。
この結果により、当社の直流XLPEケーブルがシーメンス社の開発するDC GISと高い親和性を持つことが示されます。
今回高圧直流ケーブルシステムとDC GISの型式試験をクリアしたことで、沖合の洋上風力発電所用の送電プラットフォームをコンパクトにするなど、直流送電システムのコストダウンが可能になります。当社は直流送電ケーブルを含む高付加価値・高品質の製品開発を進める事を通じ、洋上風力を含めた再生可能エネルギーの普及拡大にも貢献する電力ケーブルシステムの拡販をより強化してまいります。
*1 Gas-Insulated Switchgear
*2 CIGRE(国際大電力システム会議)は、電力システムの専門知識の蓄積及び共有のために1921年にフランス パリで設立された国際団体であり、現在90ヵ国以上から世界有数の専門家を含む1250の団体会員により構成されます。
*3 直流連系線の運用状況において、ケーブルに印加される電圧のプラスとマイナスの極性を入れ替える操作。
■ ご参考
- プレスリリース:2019年5月16日 高圧直流ケーブル事業の推進
https://sei.co.jp/company/press/2019/05/prs040.html - プレスリリース:2020年5月11日 欧州向け±525kV 高圧直流ケーブルシステムを受注
https://sei.co.jp/company/press/2020/05/prs043.html - The Leading Company for High Voltage Cable and Overhead Conductor(英語)
https://global-sei.com/power-cable-business/
以上