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トップメッセージ 2015年08月号(Vol.455)

社長 松本正義

ドーバーの波濤を越えて

このたび、当社グループの(株)ジェイ・パワーシステムズが、ベルギーELIA社と英国National Grid社との合弁会社であるNEMO LINK社から「40万V直流XLPE海底ケーブル」を受注しました。このプロジェクトは、イギリス~ベルギー間をつなぐもので、海底ケーブル部分が130km、陸上部分が11.5kmあります。今月号では、このプロジェクトについてご紹介しております。

私どもにとって今回の受注には、直流送電用XLPEケーブルの商用運転電圧としては世界最高となる40万Vクラスのケーブルを受注したこと、そして欧州の国家間をつなぐ長距離送電線をアジアのケーブルメーカーとして初めて受注したこと、という2つの大きな意義があります。

当社の歴史を繙(ひもと)きますと、1922年(大正11年)の愛媛県新居浜~四阪島間の海底ケーブル布設プロジェクトに行き当たります。当時、20km以上離れた島を海底ケーブルでつなぐというのは世界でも例がなく、海外のケーブルメーカーも尻込みしたと伝えられていますが、それに当社(当時は住友電線製造所)が挑戦し成功させたことが、その後の事業発展につながっていきました。

エネルギー安全保障の確立と、出力が不安定な再生可能エネルギーの相互融通といった観点から、欧州では国家間をつなぐ送電網の構築が積極的に進められております。先般、ベルギー、イギリスに出張し、本プロジェクトの関係者と打ち合わせましたが、非常に重要なインフラであるだけに、私どもに寄せる期待の大きさをひしひしと感じました。製品・システムの品質・信頼性への要求も極めて高く、大きなチャレンジでもありますが、このプロジェクトを無事完工させることが次の飛躍につながるものと信じ、萬事入精の精神で取り組みます。

社長 松本 正義


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