Latest Information 2015年11月号(Vol.458)
- 【新製品情報】排水処理用の大型膜モジュールを開発・販売
- 【お知らせ】直流超電導送電線でデータセンターへの電力供給に成功!
- 【新製品情報】レドックスフロー電池 充放電部(セルスタック)のUL認証を世界で初めて取得
- 【新製品情報】M2Mソリューション製品「SensorCore®」を発売
- 【展示会】「THE INTERNATIONAL WATER CONFERENCE」に出展
- 【展示会】「第5回 赤外線フェア2015」に出展
- 【展示会】「2015年国際放送機器展」に出展
- 【展示会】「ハイウェイテクノフェア 2015」に出展
- 【展示会】「マイクロウェーブ展2015」に出展
- 【展示会】INCHEM TOKYO 2015「第5回 水イノベーション」に出展
- 【スポーツ】「第63回 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会」団体総合優勝!
【新製品情報】排水処理用の大型膜モジュールを開発・販売
当社は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)中空糸膜(※1)を用いた膜分離活性汚泥処理(※2)用の大型モジュールを開発しました。
膜を使った代表的な水処理方法である膜分離活性汚泥処理では、微生物(活性汚泥)槽の中に膜を沈め吸引ろ過します。また、微生物自体による膜の汚れを防止するため、曝気(空気によるバブリング)して膜を振動させ、常時洗浄することが一般的です。しかし、この曝気は多くの電気エネルギーを必要とします。
今回、当社が開発したPTFE中空糸膜は、高い柔軟性により膜が揺れやすく、その素材特性から膜が汚れにくくなっています。また、単一素材でできた中空糸膜としては、他素材膜対比8~10倍の強度があります。この柔軟性と強度を併せ持つことで、通常は最大2mである膜の長さを3mに長尺化し振幅を大きくすることにより、膜洗浄力も大幅に向上しました。一方、膜を高密度に配置することにより、膜モジュール1台あたりのろ過面積も、最大約60m2と大きくすることができました。
これらの結果、処理水あたりの曝気風量を下げ電気エネルギーを従来の2/3以下に低減するとともに、同一処理量あたりの設置面積も従来の約2/3にコンパクト化でき、水槽の建設費や配管部材などのイニシャルコストを低減できます。また、日本下水道事業団の膜分離活性汚泥処理の1年間の研究で、曝気エネルギーも含めた1m3処理に必要なトータルのエネルギーを0.4kWh/m3以下(MBR普及促進の目標値)に抑えることを実証済みです。
当社は、世界の下水処理などの排水処理(膜分離活性汚泥処理)市場において、低コストで処理が可能な大型膜モジュールを市場投入していくことで、今後さらに水処理事業を強化していきます。これまで重点的に販売してきた韓国、台湾、中国に加え、北米や東南アジアなどにも拡販していきます。
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- ※1
- 中空糸膜:細い中空繊維の表面に微細な孔が多数あいたろ過フィルター。
- ※2
- 膜分離活性汚泥処理:主に有機物を含む排水処理の方法で、排水中に溶けている有機物を分解する微生物(活性汚泥)と、この微生物および元の排水中に含まれる固形分とを分離する膜モジュールとを併用する水処理手法。
【お知らせ】直流超電導送電線でデータセンターへの電力供給に成功!
当社が組合員である石狩超電導・直流送電システム技術研究組合(※1)は、経済産業省の委託事業(※2)にて北海道石狩市石狩湾新港地域に設置した高温超電導直流送電システムにおいて、500mの超電導送電線の建設をおこなっていましたが、事前の検証試験で性能が健全であることを確認したあと、この直流超電導送電線を、太陽電池とデータセンターに接続し、本年9月に実際の電力をデータセンターに送電することに成功しました。
ケーブルの定格および送電容量としては、それぞれ、±10kV、5kA、100MVAであり、送電できる電力は、約3万世帯分の電力に相当します。尚、長さ500mは、超電導直流送電では世界最長級の送電距離となります。
今回接続したのは、200kW級の太陽光発電所で、さくらインターネット(株)が建設したものです。直流で発電された電力を交流電力に変換することなく、直流のまま超電導送電(※3)で石狩データセンターへ送電します。データセンター内では直接サーバに直流にて給電され、交流・直流の変換ロスがありません。この給電に、直流超電導ケーブルを使えば送電路のロスも減らすことができるため、送電効率をさらに向上させることが期待されます。
なお、本プロジェクトでは長さ1kmの試験線を別に建設中で、11月には試験をおこなう予定です。
今後、このデータセンターへの送電や試験線での試験を通じて、直流超電導送電システムの将来の実用化のためのさまざまな課題を抽出していきます。
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- ※1
- 石狩超電導・直流送電システム技術研究組合:超電導直流送電およびその関連技術に関する試験研究を共同でおこなうため、当社、千代田化工建設(株)、学校法人中部大学、さくらインターネット(株)により2014年1月に設立された技術研究組合法にもとづく非営利共益法人。
- ※2
- 経済産業省の委託事業「高温超電導技術を用いた高効率送電システムの実証事業」:高温超電導直流送電システムを石狩湾新港地域に設置し、さくらインターネットの石狩データセンターと太陽光発電間、および特殊試験用設備での送電をおこない、送電システムとして実用化するためのさまざまな課題の検証をおこなう。
- ※3
- 超電導送電:極低温にすると電気抵抗がゼロとなる超電導体を用いておこなう送電で、送電ロスの低減や送電容量の増大が期待できる。
【新製品情報】レドックスフロー電池 充放電部(セルスタック)のUL認証を世界で初めて取得
当社のレドックスフロー電池は、高い安全性・耐久性が評価され、電池の心臓部にあたる充放電部(セルスタック)で、北米の安全規格であるUL認証(※1)を取得しました。レドックスフロー電池として本認証を取得したのは世界で当社が初めてです。
近年、世界的に太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーの比率が増加傾向にあります。特に、カリフォルニア州(米国)は、2030年までに州の再生可能エネルギーの比率を50%に引き上げる目標を掲げており、この再生可能エネルギーの比率増加に伴い、電力系統が不安定(※2)になることが懸念されているため、解決策の一つとして大型蓄電池の導入が検討・計画されています。
大型蓄電池は小型蓄電池に比べて、システム規模が大きくなることから、安全性や耐久性の確保がより難しくなります。今回のUL認証の取得は、北米マーケットへの展開の足掛かりとなるだけでなく、国内外におけるレドックスフロー電池の安全性訴求にも寄与し、拡販につながるものと期待しています。
当社は今後もお客さまにとってより安全で安心、そして使いやすい蓄電池システムの開発を進め、クリーンエネルギーの有効利用、エコ社会の実現に貢献していきます。
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- ※1
- UL認証:UL(Underwriters Laboratories)が開発した製品安全規格に基づく認証で、火災や感電を中心に、製品におけるさまざまな危険性を排除することを目的としています。北米で販売される多くの電気製品が、安全の証として知名度の高いUL認証を取得している。
- ※2
- 気象に左右される太陽光や風力などの再生可能エネルギーは発電量の変動が大きく、電力系統において変動の割合が増えると、電圧や周波数の安定維持に支障をきたすことがある。
【新製品情報】M2Mソリューション製品「SensorCore®」を発売
当社は、既存の設備にも簡単に設置できる小型の電池式無線センサ3種類(温湿度センサ、非接触温度センサ、クランプ型電流センサ)と受信機、Managerソフトで構成するM2M(※1)ソリューション製品「SensorCore®」シリーズを発売しました。
情報通信の高度化に伴い、工場・オフィス・商業施設などの設備・環境・品質管理におけるM2MソリューションやIoT(※2)の活用が、下記の現場課題を解決する技術として期待されています。一方で、コスト削減を迫られる企業にとって、既存の設備をM2M・IoTシステムが組み込まれた最新機器に更新することが大きな課題となっています。
●品質課題:歩留まり(※3)/手戻り(※4)低減
●生産課題:人員稼働の効率化による生産性向上
●環境課題:節電エコ活動の効果測定と強化
●保全課題:故障予防と予兆捕捉
本製品は、これらの課題に対し、効果的かつ効率的なソリューションを提供します。また、小型・省電力化により、設置場所の制約なく、既存の設備に直接取り付けて、温度・湿度・電流を常時計測できます。さらに収集したデータの監視や異常検知、メールによる通知もおこなうことで、ネットワーク施工から保守までトータルでのシステム構築を支援します。
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- ※1
- M2M:Machine to Machine
- ※2
- IoT:Internet of Things
- ※3
- 歩留まり:製造工程で生産された製品のうち、不良製品を除いた製品の割合。
- ※4
- 手戻り:作業工程のミスが原因で、前段階の工程に戻して修正をおこなうこと。
【展示会】「THE INTERNATIONAL WATER CONFERENCE」に出展
11月15日(日)から19日(木)の5日間、米国・フロリダ州で「THE INTERNATIONAL WATER CONFERENCE」が開催されます。本展示会は、水処理に関する最新のアプリケーションや、幅広い先端技術について、活発に議論できる場です。当社は、ポアフロン®精密ろ過膜モジュールおよびその関連技術を紹介します。
- 会期
- :
- 11月15日(日)~19日(木)
- 会場
- :
- Hilton in the Walt Disney World Resort(米国・フロリダ州 オーランド)
- ブース番号
- :
- 107
- 出展製品
- :
- ポアフロン®精密ろ過膜モジュール
【展示会】「第5回 赤外線フェア2015」に出展

11月17日(火)から19日(木)の3日間、科学技術館にて赤外技術に関する製品を一堂に紹介する「第5回 赤外線フェア2015」が開催されます。赤外線は警備・防衛用センサ、赤外線通信(IrDA)など幅広い分野で応用されています。当社は、耐熱性に優れる光学成形品のテラリンク®や赤外イメージセンサなどを出展します。
- 会期
- :
- 11月17日(火)~19日(木)
- 会場
- :
- 科学技術館(東京 北の丸公園内)
- ブース番号
- :
- D-8
- 出展製品
- :
- テラリンク®、赤外イメージセンサほか
【展示会】「2015年国際放送機器展」に出展
11月18日(水)から20日(金)の3日間、千葉・幕張メッセで最先端の技術力を世界にアピールする「2015年国際放送機器展(Inter BEE 2015)」が開催されます。当社は、CATV局向け自主放送番組送出・管理システムを初出展します。
- 公式サイト
- :
- http://www.inter-bee.com/
- 会期
- :
- 11月18日(水)~20日(金)
- 会場
- :
- 千葉・幕張メッセ
- ブース番号
- :
- 2001
- 出展製品
- :
- APCシステム・マスター設備・4K放送設備・IP-STB
データ放送連携による防災システム(OTTシステム)
【展示会】「ハイウェイテクノフェア 2015」に出展
11月25日(水)、26日(木)の2日間、東京ビッグサイトで「ハイウェイテクノフェア 2015」が開催されます。当社は、本田技研工業(株)と共同出展によりインターナビフローティングカーデータの活用例を展示します。
- 会期
- :
- 11月25日(水)、26日(木)
- 会場
- :
- 東京ビッグサイト 西3、4ホール
- ブース番号
- :
- D-5
- 出展製品
- :
- インターナビフローティングカーデータ
【展示会】「マイクロウェーブ展2015」に出展
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11月25日(水)から27日(金)の3日間、国内最大規模のマイクロ波技術関連製品の展示会「マイクロウェーブ展2015」がパシフィコ横浜で開催されます。当社は、ブロードバンドネットワークに代表される情報・通信システムに貢献する最先端化合物製品であるGaNHEMT※製品群を中心に出展します。
※HEMT:高電子移動度トランジスタ
- 公式サイト
- :
- http://apmc-mwe.org/
- 会期
- :
- 11月25日(水)~27日(金)
- 会場
- :
- パシフィコ横浜
- ブース番号
- :
- B25
- 出展製品
- :
- 携帯電話用基地局、レーダー用GaN HEMTなど
【展示会】INCHEM TOKYO 2015「第5回 水イノベーション」に出展

11月25日(水)から27日(金)の3日間、東京ビッグサイトで、革新的な水循環システムの構築と国内外の上下水道の最新技術展開を支援する専門展示会、INCHEM TOKYO 2015「第5回 水イノベーション」が開催されます。当社は、ポアフロン®精密ろ過膜モジュールおよびその関連技術を紹介します。
- 会期
- :
- 11月25日(水)~27日(金)
- 会場
- :
- 東京ビッグサイト 東ホール
- ブース番号
- :
- 1D-19
- 出展製品
- :
- ポアフロン®精密ろ過膜モジュール
【スポーツ】「第63回 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会」団体総合優勝!
9月25日(金)から27日(日)に岐阜メモリアルセンター長良川競技場にて開催された「第63回 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会」で、当社陸上競技部が団体の男女総合・男子総合で初優勝しました。
応援いただきました皆さま、誠にありがとうございました。
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