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特集 2016年02月号(Vol.461)

大規模蓄電システム レドックスフロー電池

レドックスフロー電池の原理・特長

1.安全

「携帯電話の電池が燃えた」というニュースをご覧になったことがありませんか?何万倍もの大きさがある大規模蓄電システムで同じことが起きてはなりません。
→レドックスフロー電池は燃えない材料だけで作られています。

2.長寿命

電池の中には、充放電を繰り返すとどんどん寿命が短くなるものがあります。
→レドックスフロー電池は充放電回数制限無し。20年間しっかり稼働します。

3.使いやすい

パソコンを使用しているときに、電池残量が10%くらいあったのに、いきなり電源が落ちてしまったことありませんか?実は電池を使いながら残量を計るのは非常に難しいのです。
→レドックスフロー電池はフローさせる特長を活かしリアルタイムに正確に残量測定ができます。

レドックスフロー電池の基本原理

なぜ大規模蓄電池が必要か?

昨今導入の進んでいる太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、自然を相手にしているため、発電量をコントロールすることはできません。これまでは全体に対する再生可能エネルギーの量が少なかったので、水力・火力発電所などでその変動を吸収していましたが、今後さらに導入を進めるためには①余剰電力と②周波数変動、の二つの問題をクリアする必要があります。その解決策として電池が注目を集めています。

再生可能エネルギー(以下、再エネ)が増えたときの問題

①余剰電力問題

再エネの発電量は調整できないため、発電機が必要な電気量との調整をします。再エネによる発電量が増えると変動が大きくなる一方、発電機による発電量は減ります。火力発電などは発電量を減らしすぎると止まってしまい、また動かすには時間がかかります。そこで、大容量で電気をためることのできる蓄電池が活躍します。余った電気を充電し、足りないときに放電します。
►求められる能力は「大容量

②周波数変動問題

晴れていると思ったら雲が太陽を横切ったり…と、再エネは短い時間でも非常に不安定な発電をします。電気の余剰・不足が短時間内に起きると周波数が変動し、電気機器が動かなくなってしまいます。そこで充放電への反応が早い蓄電池が活躍します。再エネの発電と真逆の動きをし、急激な変化を抑え込みます。
►求められる能力は「充放電反応の速さ」と「繰り返し利用への耐久性」

北海道で世界最大級のフロー電池が稼働

今年度、北海道電力(株)と当社が共同で進めてきた、南早来変電所における大規模蓄電システムが運転を開始しました。世界最大級規模(横浜製作所内レドックスフロー電池の15倍)であり、世界が注目する実証事業です。

実証事業のイメージ
蓄電池建屋外観
蓄電池建屋外観
建屋内の電解液タンク
建屋内の電解液タンク
蓄電池規模
出力15MW、容量60MWH
※6,000世帯の家庭の1日分の電気量に相当
実証試験期間
平成27年12月~平成31年3月(予定)
実証試験項目
●蓄電池を周波数調整用電源とみなした周波数変動抑制制御手法の開発
●蓄電池による、余剰電力(下げ代)対策運転手法の開発
●レドックスフロー電池の性能評価

現地工事を大幅に軽減できる新型(コンテナタイプ)電池を2016年度中に発売予定

大阪製作所内で試験運転実施中。今夏には製品第1号が横浜製作所にて稼働予定。

コンテナタイプの特長

●電解液タンクもコンテナ内に収納
・現地での電解液配管工事が不要。
・現地での機器据付、組立工事が簡単に。
・輸送費も削減。
●電池本体(セル)高出力化
【出力密度約2倍】
・コンパクト化、コストダウン。

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