特集
研究・開発
研究開発こそが企業の持続的発展のエンジンであるという信念を持つ大阪製作所は、約2,300人のうち約600人※が研究開発に携わっており、当社グループにおける研究開発の中心拠点の一つです。電線・ケーブルを軸に、過去から積み上げてきた材料技術や加工技術をベースとして、ICT、エレクトロニクス、自動車などのさまざまな分野のニーズに応える新しい製品開発を進めています。
【大阪製作所でおこなわれている研究の一部をご紹介します。】
マイクロスマートグリッド実証システム(2011年~)
太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電設備と蓄電池を直流で連系させたマイクロスマートグリッド実証システムを開発し、構内試験をおこなっています。4種類の発電装置と蓄電池を直流で連系させ、自然由来の不安定なエネルギーと、電力の需要を高度に管理することで、安定的かつ効率的に、各種設備や機器に電力を供給することを可能にします。
製品紹介
【大阪製作所で研究・開発・製造されている製品を一部ご紹介します。】
導電製品
住友の銅事業の流れを汲む大阪製作所には、電線製造の最上流工程である連続鋳造圧延設備があります。そこで製造される銅荒引線は、国内の電線メーカで電力ケーブルや屋内配線用電線、モータ用のコイルなどに使用される巻線(エナメル線)、自動車ワイヤーハーネス、電子ワイヤーなど多様な電線に加工され、世界中で使用されています。
国内で生産されているこれら電線の約2割がこの大阪製作所の銅荒引線で作られています。
ITS(Intelligent Transport Systems)関連製品
ITSは、最先端の情報通信技術を利用し、安全性・輸送効率などの最適化を目指す新しい道路交通システムです。 ITS製品の一つである、「交通管制システム」は、路側に設置したセンサから収集される交通状況を解析し、より高度な道路交通の制御や交通情報の提供をおこなうシステムです。大阪製作所では、本システムを構成する交通信号制御機、センサや無線伝送装置などの路側端末機器などの製品群の研究・開発・製造をおこなっています。これらは、日本各地のみならず海外でも採用され、道路交通の安全と円滑化に寄与しています。
電力ケーブル
1959年に当社が世界に先駆けて製品化し、その後高電圧化を進め、500kVまで実用化した電力ケーブル「CV(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース)ケーブル」も大阪製作所で製造しています。ここで製造されたケーブルは、日本国内のみならず、海外でも使用され、電力関連インフラ整備に大きく貢献しています。
EV急速充電器用ケーブル
急速充電器と電気自動車を接続するEV急速充電器用ケーブルは、一般の家電製品と比べて大きな電気エネルギーを伝送する機器を操作します。そのため、高い安全性、優れた操作性、高い耐久性を持つ製品を求め、開発・製造に取り組んでいます。
超電導製品
ビスマス系超電導線(DI-BSCCO®)は、当社が世界で初めて量産に成功した長尺高温超電導線です。電気抵抗がゼロで「低損失」であることや、同じ断面積の銅と比べて200倍もの電流を流すことができる「高電流密度」という特性を持つ夢の線材です。
超電導ケーブルの実証実験を電力会社とともにおこなっており、2012年10月から約1年間、日本初の実系統接続にも成功しています。また、従来と比べ、小型で強力な船舶モータ用コイルや高速に動作する永久磁石検査用マグネットなど、省エネ社会に貢献する用途開拓を進めています。
空気ばね製品
空気ばねは、鉄道車両や産業機械など広範囲の防振や制振に活用されています。車両用空気ばねは、新幹線や地下鉄をはじめ国内外の鉄道車両に広く使われており、走行時の振動を抑制し、上下動を緩和することで、鉄道の高速化、快適で安定した乗り心地を実現しています。電線の被覆材から派生した技術をもとに、信頼性の高いゴムを開発し、本製品に使用しています。
ブロードネットワークサービス機器関連製品
通信事業者やケーブルテレビ(CATV)事業者向けに10G-EPON、4K-STB、VDSL、IP電話アダプタ、アプリケーションサービスゲートウェイ、デジタルヘッドエンド機器などの情報通信・放送機器を開発・製造しています。最新の通信・放送サービスのインフラを担う機器の提供や、お客さまへの提案・技術サポートを通じて、快適で安心なブロードバンドネットワーク社会の実現に貢献しています。
当製作所では、地域社会との共生を図るべく、さまざまな地域貢献活動に取り組んでいます。
バラ園見学会
会社の110周年記念行事の一環として2010年11月に「WinD Lab」を建設しその隣接緑地にバラ園を造園しました。栽培されているバラは110種類、1,000本以上あります。「四季咲き」という繰り返しよく咲く品種が多く、春と秋にたくさんの花を楽しむことができます。毎年5月には一般の方々もご覧いただけるバラ園見学会を実施していましたが、本年からは大阪製作所100周年を記念して「ローズフェスタ」と名称を変え、新たな装いでバラと音楽のコラボレーションを楽しんでいただく予定です。今後もみなさまに綺麗なバラを楽しんでいただきたいと思います。
地域貢献活動
①地域社会との連携・交流の促進
- ・地域の環境保全への貢献(地域清掃活動、緑化推進など)地域防災・安全活動の支援
- ・グランド、体育館などの開放
②地域とのコミュニケーション強化
- ・工場見学の受け入れや近隣地域の行事などへの参加・支援
- ・地域コミュニティ紙の発行
③教育
- ・研修などへの支援
- ・教職員の企業体験研修
- ・出前授業
- ・職業体験学習