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トップメッセージ 2016年03月号(Vol.462)

社長 松本正義

石の上にも

当社のレドックスフロー電池が「2015年 日経優秀製品・サービス賞」に選ばれ、先日表彰式がありました。約2万点の製品・サービスから、燃料電池車や小型ビジネスジェット機などテレビや新聞でも話題になった製品に伍して、当社の製品が「最優秀賞」18点の一つに選ばれたのは光栄なことであります。

式では、審査委員長がご挨拶の中で「これからの世界の電池技術・産業をリードしていってほしい」とわざわざ激励して下さり、当社の出席者は「思わず武者震いした」と言っておりました。

当社がこの電池の開発に着手したのは1985年ごろです。10数年してようやく製品化したのも束の間、想定外の技術課題が発生し、一旦は販売停止を余儀なくされました。しかし研究者たちは「課題を解決すれば、長寿命で安全性が高いレドックスフロー電池は、大型蓄電池の本命になるはず」と、雌伏して時を待っておりました。その後、国内外で、再生可能エネルギー開発の機運が高まるとともに、大型蓄電池が脚光を浴びるようになりました・・・。

社外の方にこんな説明をしますと、皆さん一様に「よく30年も我慢したね」とおっしゃいます。私もその場では「研究開発には時間がかかります」と申し上げますが、社内の研究者には「それを、成果が出ないことの言い訳にするな」と戒めております。

研究開発において、技術的な専門性を究めようとするのは当然ですが、その先には「広く世の中に、新しい価値をもたらす」という目的があります。「専門性」と「普遍性」を兼ね備えたテーマを探り、「出口と時間軸」を明確に意識しながら日々の活動に自律的に取り組むことが、研究開発において最低限必要な条件だろうと考えております。

社長 松本 正義


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