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トップメッセージ 2016年07月号(Vol.466)

社長 松本正義

NO SIDEの精神

「英国はEUのメンバーにとどまるべきか、EUから離脱すべきか」の二者択一を迫る国民投票の結果は、本誌が発行される頃には判明していることでしょう。投票まで残り3日となった現在、一時停止された運動は再開され、激しさを増しているようです。まさに国論を二分する事態であり、英国民の多くは独白するハムレットの心境ではないでしょうか。

かつて私が英国駐在していた際、事務所が立地する地区の自治会長の訪問を受け、自治会の定例会議に会議室の借用を申し込まれました。この会議では、国が採るべき方針を市民の立場から提言するために活発な議論が展開されていました。日本人である私も会議に招かれ、英国人の政治意識の深さに驚いたのを今も覚えています。

皆さまもご存じのとおりイングランド発祥のラグビーには、「NO SIDE」という言葉があります。試合が終われば、勝った側も負けた側もないという意味です。ちなみに日本では、試合終了の意味でも使われていますが、今や世界的には試合終了は「FULL TIME」が一般的とのこと。ラグビーはコンタクトプレーの激しいスポーツであり、それ故に紳士としての振る舞いを忘れないでおこう、ということかと思われます。ラグビーには「after match function」という催しがあります。これは試合終了後、両チームの選手やスタッフなどが一同に会して、食事やビールなどをとりながら、互いの健闘を称え、懇親を深めるパーティです。

激闘も終われば全てを水に流し、敵も味方もなく、互いに尊重する、「NO SIDE」の精神が発揮されることを期待しています。

社長 松本 正義


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