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集光型太陽光発電システム

住友電工グループは、2010年より「薄型」でかつ「軽量」を特長とする集光型太陽光発電用モジュールの開発に着手し、2012年から社内でシステム実証運転を開始、2年後にはこれまでの開発成果が評価され、製品化を実現しました。

製品データ

発売開始 2014年3月

モロッコ CPV発電プラント完成イメージ
モロッコ CPV発電プラント完成イメージ

集光型太陽光発電(CPV)システムってなに?

集光型太陽光発電(CPV)システムは、直達日射光を集めるレンズや、集めた光をエネルギーに変える発電素子などからなるモジュール構造をした太陽光発電装置です。

太陽を正確に追尾する架台に、このモジュールを搭載し発電することにより、従来型の結晶シリコン太陽電池に比べ受光面積当たりの発電量が増大し、優れた発電能力を発揮します。

CPVシステムの特長は?

①高効率、高出力でかつ高温度環境に優れた発電システム

当社のモジュールは、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変える変換効率が極めて高い化合物半導体の発電素子を用いており、標準的な結晶シリコン太陽電池に比べ、変換効率が約2倍です。また発電素子が温度の影響を受けにくいことから、日射量が多く気温が高い地域でも発電量が落ちにくく、有効な発電システムとして期待されています。現在、当社グループでは、モロッコ、メキシコなどの工場で実証試験を進めています。

②薄型で軽量なモジュール

当社グループのモジュールは、集光型太陽光発電業界でトップレベルとなる、厚み約120mm、重量8kg未満の薄型軽量モジュールです。薄型で軽量なモジュールは、輸送時のモジュール積載効率の向上や現地設置作業効率の向上、また、太陽を追尾する架台に多く搭載できるなどのメリットがあり、発電システムのトータルコスト低減に貢献します。

技術者に聞きました
パワーシステム
研究開発センター
岩崎 孝
岩崎 孝

これから目指す方向性について教えてください。

CPVで用いている化合物半導体発電素子は、宇宙用に開発が進められているものをベースに地上用に開発されました。変換効率は毎年1%ずつ向上しています。一方で、光学ロス*を減らす技術の開発を進めており、製造のばらつきを低減させて、効率を高め、実用範囲を広げていきたいと考えています。また、CPVは強い太陽光の下で発電するシステムですので、耐環境性を向上させて、使用できる地域を広げていきたいです。

*
光学ロス:太陽光をレンズで集光し、セルに結合させる際の集光できていない成分。

CPVはどこで組み立てるの?

当社のモジュールは、一人で持ち運びができるほど軽く、モジュールのまま設置場所まで運び、現地でパネル*に組み立てることができます。

組み立て場所で高価な重機を使用することなくパネル化が可能になるため、発展途上国においても、低コストでCPVシステムの設置が可能です。

*
パネル:モジュールの集合体

こんなところにもテクノロジー!

当社グループは、夜間にパネル表面を地表側に裏返すことのできる大型架台を開発しました。これにより、硝子面の汚れを防止することができます。清掃頻度が数分の一になり、維持管理が容易になったとお客さまから喜びの声をいただいています。

また、モジュール下のスペースは花壇や農地などとして活用することが可能です。


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