トップメッセージ 2016年08月号（Vol.467）
二足の草鞋（わらじ）
内外で気が滅入るニュースが多い昨今ですが、先日のオールスターゲームでの大谷翔平選手の活躍は見事でした。残念ながら登板はありませんでしたが、打者として見事MVPを獲得。彼の活躍を見るにつけ、大袈裟ですが、人間の能力の可能性について考えさせられます。高校野球ではエースで四番を結構見かけますが、打者と投手の分業制が確立している現代のプロ野球では、いずれでも高いレベルで成績を出す選手は初めてではないでしょうか。ケガや故障なく、息の長い選手になって欲しいものです。少し脇道に逸れますが、日本語的には、彼の取り組みは「二刀流」というよりも「二足の草鞋を履く」の方がしっくりくると思うのですが、キャッチコピーとしては前者なのでしょう。
さて、お名前は敢えて伏せさせて頂きますが、先日、日本を代表する競技者が引退を表明されました。とある団体の会合で席が隣ということもあり、色々と質問やお話をさせて頂いたり、また2年前には高校生の大会にゲストとしてお越し頂いたりし、まさに「偉丈夫」という表現がぴったりの好青年です。競技者と大学教授、団体役員など二足どころではない草鞋を履かれ、十分な練習時間も確保できないようでしたが、熊本地震の被災地を勇気づけようと2年ぶりに大会に出場、最後の試技後に引退を表明されたと聞いています。第一線の競技者としての草鞋は脱がれましたが、日本スポーツ界の発展に向けて様々なフィールドでのご活躍を心から祈念してエールを送りたいと思います。
