Latest Information 2015年06月号(Vol.453)
- 【新製品情報】超高強度超電導線「DI-BSCCO® Type HT-NX」の販売を開始
- 【新製品情報】エネルギーマネジメントシステム(sEMSA®)を用いてネガワット取引のためのデマンドレスポンス実証に成功
- 【新製品情報】光ファイバの限界突破に挑戦 〜世界最高コア数36すべてがマルチモード、100超空間チャネルを実現〜
- 【新製品情報】短距離光伝送に適した新型マルチコア光ファイバを開発 〜世界最高密度のマルチコア光ファイバケーブルを実現〜
- 【新製品情報】ビッグデータ時代の全文検索・情報活用システム「QuickSolution® 10(クイックソリューション・テン)」を発売
- 【展示会】「Cloud Days 札幌 2015」、「Cloud Days 名古屋 2015」に出展
- 【展示会】「ビジネスショウ&エコフェア 2015」に出展
- 【展示会】「ケーブル技術ショー2015」に出展
- 【展示会】「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS)」に出展
【新製品情報】超高強度超電導線「DI-BSCCO® Type HT-NX」の販売を開始

当社は、2004年にビスマス系高温超電導線材の工業製品化を実現して以来、数多くのお客さまに新規にご採用をいただくとともに、既存の銅線や、金属系超電導線材への置き換えを果たしてきました。しかしながら、今後さらに多くのお客さまにご採用いただくうえで障壁となっていたのは、主に臨界電流値(※1)と許容引張り強度でした。
今回当社が開発した、超高強度ビスマス系高温超電導線材は、従来の高強度ビスマス系高温超電導線材と比較して、約50-60%の引張り強度の向上を実現し、超高強度超電導線「DI-BSCCO® Type HT-NX」として販売を開始します。これにより、線材がより大きな電磁力を受けることが可能となり、従来の高強度線材では実現できなかった二十数テスラ(※2)程度の超高磁場領域や大型のマグネットにも、使用が可能となりました。
また、従来の高強度線材と比べて、許容両曲げ直径の約30%低減を実現したことにより、曲げ径がより小さいコイルなどへの適用拡大が可能となります。
今後さらに、臨界電流値200A超のビスマス系高温超電導線材の量産体制の整備を目指し、お客さまが使いやすい超電導線材の提供を進めていきます。
この超電導線材がもたらす実用超電導線材としての科学的成果は学術的にも高い評価を受け、このたび、一般社団法人 未踏科学技術協会より「第19回超伝導科学技術賞」を受賞しました。
- ※1
- 臨界電流値:超電導状態(抵抗ゼロ)で流すことのできる電流値。
- ※2
- テスラ:磁束密度の大きさを表す単位。1テスラ=10,000ガウス。
【新製品情報】エネルギーマネジメントシステム(sEMSA®)を用いてネガワット取引のためのデマンドレスポンス実証に成功
当社は経済産業省が支援するネガワット取引(※1)のための実証事業「次世代エネルギー・社会システム実証事業」において、当社開発のエネルギーマネジメントシステム(sEMSA®)を用いてデマンドレスポンス(DR)発令から15分以内に、約束したネガワット電力を送出することに成功しました。
実証は当社横浜製作所設置の国内最大級のレドックスフロー(RF)電池3台(計5MWh)、ガス発電機(CGS)6台(計4MW)、集光型太陽電池(CPV)15台(計100kW)および、これらの発電機群を管理する当社開発のエネルギーマネジメントシステム(sEMSA®)を用いて実施されました【図1】。
sEMSA®は電力需給調整会社(アグリゲータ)であるエナノック・ジャパン(株)(以下「エナノック」)より発令されたDR信号に10秒以内に応答し、15分以内に約束した電力量(640kW×1時間)を全自動にて送出することで、DR時間帯は系統からの受電を削減しました【図2】。
DR発令には、世界標準規格であるOpenADR2.0(※2)プロトコルを利用しています。
この実証プログラムは、電力会社とコンソーシアムを組むアグリゲータの一社であるエナノックと共同で実施しました。エナノックは経済産業省が支援するピーク時供給や運転予備力(※3)のためのDR実証プログラムに取り組んでおり、当社はエナノックのカスタマーとして今回の実証に参加しました。


「sEMSA®」の特長
①幅広い顧客ニーズと多様な電力設備に対応可能な柔軟性・拡張性に富んだアーキテクチャに準拠
②DRにも瞬時に対応
③再生可能エネルギーを含む発電機群をエネルギーコスト最小他、総合的に最適運用
④契約電力などの各種シミュレーション機能
当社は、今回、国際標準規格であるOpenADRを使ってエナノックと相互接続できた成果をベースに、sEMSA®を国内ネガワット取引の標準ツールとして広くお客さまに展開していきます。
- ※1
- ネガワット取引:節電や自家発電により減らした電力需要量を、系統側の発電とみなして買取る取引。
- ※2
- OpenADR2.0:自動デマンドレスポンスのために定義された国際通信プロトコルのバージョン2.0。
- ※3
- 運転予備力:系統に供給力不足を生じた場合に、短時間内(10分程度以内)に不足分を補うための予備力で、部分負荷運転中の発電機余力も該当します。
【新製品情報】光ファイバの限界突破に挑戦 〜世界最高コア数36すべてがマルチモード、100超空間チャネルを実現〜

当社と、独立行政法人 情報通信研究機構、横浜国立大学、(株)オプトクエストと共同で、世界最高の36コアで、かつ、すべてのコアがマルチモード伝搬の新型光ファイバ(※1)を開発し、光信号の送受信実験に初めて成功しました。
光ファイバ1本当たりの伝送容量を拡大する次世代技術として、マルチコアファイバやマルチモードファイバ伝送が世界的に研究されています。今回、すべてのコアを3モードにし、1本の光ファイバで36×3=108の空間チャネル(※2)を実現しました。本実験の成功によって、1本の光ファイバで毎秒10ペタビット(※3)伝送の可能性が拓けます。
【ポイント】
■ 1本の光ファイバのコア数36、さらに、すべてのコアで3モード伝搬の光ファイバを開発
■ マルチコアとマルチモードの組み合わせで光ファイバ1本の並列伝送数(空間チャネル数)が108
■ 通信トラフィックの増大要求に対応し、将来的に毎秒10ペタビット伝送の可能性を拓く
- ※1
- 新型光ファイバ:マルチモードのコアを複数持つ。これまでは、3モード7コアファイバ、3モード12コアファイバなどが研究されている。
- ※2
- 空間チャネル:独立に光信号を伝送できる個別空間(コアやモード)である。マルチコアファイバのそれぞれのコア、マルチモードファイバではそれぞれのモードが別々の空間チャネルとなり、マルチモードマルチコアファイバの場合、空間チャネル数はコア数×モード数になる。
- ※3
- ペタビット:1ペタ(P)ビットは1,000兆ビット、1テラ(T)ビットは1兆ビット、1ギガ(G)ビットは10億ビット、1メガ(M)ビットは100万ビット。通常の家庭用光ファイバサービス(FTTH)は、最大でも毎秒2ギガビット程の速度であり、1ペタビットはその50万倍に当たる。
【新製品情報】短距離光伝送に適した新型マルチコア光ファイバを開発 〜世界最高密度のマルチコア光ファイバケーブルを実現〜
今回当社は、汎用光ファイバ(※1)と同じガラス外径である125μmのクラッドを有し、波長分散(※2)の小さな1.3μm付近の波長帯において汎用シングルモードファイバ(※3)と同等の光学特性を有するコアを8つ内蔵し、光信号が異なるコアに漏洩し信号品質を劣化させるコア間クロストークも抑制した新型マルチコア光ファイバ(MCF)(※4)を世界で初めて開発しました。
これまでに開発されたMCFの多くは、各コアの良好な光学特性・コア間クロストークの抑制を実現しながらコア数を増大するために、クラッド外径を汎用的な光ファイバの125 μmより太く(※5)したものでした。今回、8つのコアを内蔵することで、すでに広く用いられている25Gb/s信号の送受信技術を用いて、1本の光ファイバで100Gb/sの双方向通信が可能となり、また、各コアの光学特性は、1.3μm帯で高集積なデバイスを実現するシリコンフォトニクス技術(※6)との高い親和性が期待されます。さらに、汎用光ファイバと同じガラス径の実現により、汎用光ファイバと同等の機械的信頼性(※5)を実現でき、また、汎用光ファイバ向けのさまざまな関連技術(ケーブル化技術や、コネクタなどの接続関連技術など)を活用することができます。
今後当社は、さまざまな通信用途に用いるMCFの実用化に向けて、ファイバの生産性の向上や接続関連技術の開発などに取り組んでいきます。


- ※1
- 汎用光ファイバ:通信用に規格化されている光ファイバ。クラッド径は125μmであり、コアの種類は規格によりさまざまである。
- ※2
- 波長分散:波長によって光の進むスピードが異なること。光信号は一定の波長幅を持つので、波長分散があると、光信号の中に速く進む成分と遅く進む成分がうまれ、波形が乱れるので、これを光学的あるいは電気的に補償する必要が生じる。
- ※3
- 汎用シングルモードファイバ:汎用光ファイバのうち、コアが小さく、光の通り道が1つしかないタイプのもの。
- ※4
- マルチコア光ファイバ:複数のコアを個別に光信号の伝送路として用いる光ファイバ。コア間クロストークの抑圧が必要。
- ※5
- 光ファイバのクラッド径と機械的信頼性:光ファイバに曲げなどによる歪が長時間加わると、一定確率で破断が起こる。破断確率が小さいことを機械的信頼性が高いという。光ファイバに加わる歪は、曲げ径が小さいほど、また、ガラス径が太いほど、大きくなるので、タイトな曲げの加わりやすい短距離伝送においては、125μmよりガラス径を太くすることは好ましくない。
- ※6
- シリコンフォトニクス技術:シリコン基板上に、光の導波路や素子を形成することで、高集積・低消費電力の光部品を実現する技術。
【新製品情報】ビッグデータ時代の全文検索・情報活用システム「QuickSolution® 10(クイックソリューション・テン)」を発売
ビジネスシーンではビッグデータの活用が注目されています。企業内・組織内で増大し続けるデータの中から、重要な情報資源を正確にすばやく検索・分類し、共有の知的情報資源として活用するために、企業内ビッグデータに対応できる検索システムへのニーズが高まっています。
今回発売した「QuickSolution® 10」は、検索インデックス構造や検索アルゴリズムを一新し、従来製品から大幅に性能を向上させることに成功しました。100テラバイト超の大容量データでも、権限を考慮しながら高速・高精度に検索できる、ビッグデータ時代の全文検索・情報活用システムです。
【展示会】「Cloud Days 札幌 2015」、「Cloud Days 名古屋 2015」に出展
「クラウドファーストで変革するICTの最先端に迫る」をテーマに、旬の話題や製品など最新情報をご紹介するイベントです。
「Cloud Days 札幌 2015」
- 会期
- :
- 6月4日(木)〜5日(金)
- 会場
- :
- 札幌コンベンションセンター
- ブース番号
- :
- 41,42
- 出展製品
- :
- 「楽々Framework®3」、「楽々Workflow®II」、「QuickSolution®」、「楽々Document® Plus」
「Cloud Days 名古屋 2015」
- 会期
- :
- 6月17日(水)〜18日(木)
- 会場
- :
- ウインクあいち
- ブース番号
- :
- 83,84
- 出展製品
- :
- 「楽々Framework®3」、「楽々Workflow®II」、「QuickSolution®」、「楽々Document® Plus」
【展示会】「ビジネスショウ&エコフェア 2015」に出展
「九州からの発信−ここに未来へのヒントがある!」を共通の開催テーマに掲げ、IT、環境に関連する課題を取りあげたセミナーやカンファレンスを構成し、展示との両面からユーザー、ディーラー、メーカ間の「最新情報の発信・交流・共創の場」を提供する展示会です。
- 会期
- :
- 6月17日(水)〜18日(木)
- 会場
- :
- 福岡国際センター
- ブース番号
- :
- BE-17
- 出展製品
- :
- 「楽々Framework®3」、「楽々Workflow®II」、「QuickSolution®」、「楽々Document® Plus」
【展示会】「ケーブル技術ショー2015」に出展

6月10日(水)、11日(木)の2日間、東京国際フォーラムにて「ケーブル技術ショー2015」が開催されます。本イベントは、CATV業界とケーブル技術のさらなる発展を目指して開催されるケーブル技術の総合展示会です。当社は、10G-EPONと最新STBによる4K映像のデモンストレーションをおこないます。
当社ブースへのご来場を心よりお待ちしています。
- 公式サイト
- :
- https://www.catv-f.com/
- 会期
- :
- 6月10日(水)〜11日(木)
- 会場
- :
- 東京国際フォーラム(入場無料:事前登録制)
- ブース番号
- :
- 01
- 出展製品
- :
- RF/IP 4K映像ソリューション、伝送路ソリューション、集合住宅高速化ソリューション、宅内端末ソリューション、デジタルHEソリューション、アプリケーション、保守サービス
【展示会】「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS)」に出展
6月24日(水)から26日(金)の3日間、東京ビッグサイトで日本ものづくりワールド「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS)」が開催されます。本展示会は、CAD、CAE、ERP、生産管理システムなどの製造業向けのITソリューションが一堂に出展する専門展です。
住友電工システムソリューション(株)は、M2Mソリューション「SensorCore®」やM2M構築に適した光ファイバ配線ソリューション「SmartGP®」を展示します。これは、課題解決を実現する次世代工場の総合ソリューションです。
また、住友電工情報システム(株)が文書管理・情報共有システム「楽々Document® Plus」などを別のブースにて展示します。
ブースへのご来場を心よりお待ちしております。
■住友電工システムソリューション(株)のブース
- ブース番号
- :
- 東15-14
- 出展製品
- :
- 「SensorCore®」:省電力無線センサーを使用し工場設備監視を可能にします
「SmartGP®」:GE-PONをLANに適応させた配線ソリューション
■住友電工情報システム(株)のブース
- ブース番号
- :
- 東9-14
- ブース番号
- :
- 「楽々Document® Plus」、「QuickSolution®」、「楽々Workflow®II」