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プレスリリース

超硬コーティングドリル「マルチドリルネクシオ™MDE型」を開発・販売開始

製品・技術情報

2017年7月27日
住友電気工業株式会社

当社は、超硬コーティングドリル「マルチドリルネクシオ™MDE型」を開発し、10月より販売を開始します。

金属部品への穴あけ加工において、小型旋盤や小型マシニングセンタの増加や、要求品質の多様化に伴い、多様な被削材や幅広い加工条件でも安定した加工を実現する汎用性の高い切削工具が求められています。

特に、穴径や穴位置などの穴精度の向上に対する要求や、設備の無人運転化が増加している今日では、剛性が高く、長寿命のコーテッド超硬ソリッドドリル*1の需要が高まっています。

このようなニーズにお応えするため、当社は「マルチドリルネクシオ™MDE型」を開発しました。「マルチドリルネクシオ™MDE型」は独自の刃型で切削抵抗の低減と切りくず処理性を向上させるとともに、新開発の超硬母材とコーティングを採用することで、幅広い被削材に対しても長寿命を実現しました。

マルチドリルネクシオ™MDE型

1. 特長
  1. 低抵抗で優れた切りくず処理を実現
    当社独自技術のRXシンニング*2を採用しており、広い切りくずポケット*3を備えています。これにより穴あけ加工時の切削抵抗を従来比で約20%低減し、小型旋盤や小型マシニングセンタでも安定した穴あけ加工が可能です。また、強円弧刃型を採用したことで、低送りから高送り*4の幅広い領域でも切りくずを細かく分断し、切りくずの詰まりによるドリル折損や、巻きつきによる加工機の停止を防ぎます。
  2. 汎用性が高く、多様な被削材で安定した加工を実現
    耐摩耗性と耐欠損性を併せ持つ新開発の超硬合金と、当社独自のコーティング技術「Absotech®」を採用した高い硬度と耐熱性を有するNXコートを組み合わせた新材種「ACT100」により、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、金型鋼など、多様な被削材で長寿命を実現しました。また、新材種と刃先処理の最適化により、ドリル肩部の欠損を防ぎ、安定した穴精度が得られます。
2. ラインアップ
MDE-E型(外部給油式)(計280型番)
適用加工深さ 2xDC(ドリル刃径)、4xDC(ドリル刃径) 2種類
工具径 Φ3.0~16.0mm  0.1mm飛び
Φ16.5~20.0mm 0.5mm飛び
MDE-H型(内部給油式)(計409型番)
適用加工深さ 3xDC(ドリル刃径)、5xDC(ドリル刃径)、8xDC(ドリル刃径) 3種類
工具径 Φ3.0~16.0mm  0.1mm飛び
Φ16.5~20.0mm 0.5mm飛び
3. 販売計画

初年度10億円/年、3年後30億円/年

4. 価格
MDE-E型(外部給油式) 4,240~32,300円(税抜)
MDE-H型(内部給油式) 7,800~53,000円(税抜)

*1 コーテッド超硬ソリッドドリル:
コーティングが施され、シャンクから刃先まで全て超硬合金でできたドリル。

*2 RXシンニング:
通常は直線形状であるドリルのシンニングと呼ばれる中心部分を曲線形状にする技術。切りくずポケットが広く、切削抵抗が低減されるので、能率を上げてもドリルが破損しにくい。

*3 切りくずポケット:
切りくずがドリルに巻きついた際、切りくずを排出するために刃先部に設けられたスペース。

*4 低送り・高送り:
切削時の送り量(mm/rev)の速度。

以上

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